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導入事例紹介

1日の処理件数が
2倍以上に増加!
「EGB-ATCe×4台」フル稼働で実現した現場改善

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自動金型交換装置付きベンディングマシン
「EGB-6020ATCe」による曲げ加工((株)誠工社)

ボトルネックとなりやすい
曲げ工程

曲げ加工は、材料を設置したら加工終了まで、ほぼ機械任せで人手がかからないブランク加工と異なり、作業者が材料を手で持ち、バックゲージに突き当てながら加工を行うため、人手がかかってしまう加工です。
そのため、板金加工のボトルネックとなりやすい工程といえます。

この突き当て作業は、曲げ位置に直接影響するため、製品の品質を左右する重要な工程です。
ベテラン作業者が行うことが望ましい作業ですが、人手不足の現場では経験の浅い作業者が操作して、突き当てミスが発生し、加工不良につながることもあるため、抜本的な改善が望まれます。
特に製品が複雑化し、曲げ順序や突き当て個所を間違えやすく、万が一曲げ不良が起きると、再段取りや材料などのコストがムダになり、生産性も低下してしまいます。

段取り作業の削減と、
加工の自動化・効率化を考える

そのため、曲げ加工でもスキルに頼らない生産体制の構築が望まれています。
その対策としては2つの方法が考えられます。1つは「段取り作業を削減」すること、もう1つは「加工の自動化・効率化」を行うことです。オペレーターの技量に依存する作業を少しでも減らすことが、不良の削減、生産性の向上につながります。

そこで開発されたのが新しいベンディングマシン「EGB-ATCe」シリーズに搭載された作業者を支援する機能「Y3軸バックゲージ」と「タブレットHMI」です。

「Y3軸バックゲージ」は3つのバックゲージを搭載しており、それぞれのバックゲージが個別に左右前後方向へ移動できるため、外形が三角形のような異形状の場合でも3点で安定して突き当てることができます。そのため、曲げ加工で大幅な時間の削減と不良の発生を抑えることが可能になりました。

曲げ情報を表示する「タブレットHMI」は、本機の通常のNC操作画面とは別に、マシン上部の目線の高さにタブレット画面を配置しています。
加工ポイントのすぐ近くに突き当て位置が表示されるため、視線を大きく動かすことなく、正確かつスムーズな曲げ作業を実現しました。
このタブレット画面には、バックゲージ上部から写したカメラ映像がリアルタイムで表示され、これから曲げる材料がAR技術を使った半透明の画像で表示されます。実際の材料の映像にAR画像を重ねることで、正しい曲げ位置や表裏の確認、どこに突き当てているかが簡単に分かるようになりました。
※カメラ等で捉えた現実世界の風景に、CGや位置情報などのデジタル情報を重ねて表示し、現実を拡張する技術

突き当てモニターとAR表示により、経験の浅い作業者でも突き当てや位置決め時間の短縮と、曲げ不良を防止することが可能になりました。

作業の場面に合わせ自動的に表示を切り替え、加工の補助情報を表示する「タブレットHMI」((株)誠工社)

作業の場面に合わせ自動的に表示を切り替え、
加工の補助情報を表示する「タブレットHMI」
((株)誠工社)

そして、アマダ独自のATC(自動金型交換装置)がさらに使いやすく進化しました。省スペース化により、作業スペースが広くなると同時に、金型積載量を30%増加(従来機比)させました。また、ATCシャッター開閉の完全自動化と挟まれ防止機能を搭載し、作業者の安全と作業性を両立させています。

ここからは、この「EGB-ATCe」を導入して効果を上げているお客さま2社の事例をご紹介します。

現場改善と総合的な
生産性向上を実現

(株)誠工社(兵庫県豊岡市、柴田勲社長)は「EGB-6020ATCe」を4台導入、フル稼働しており、現場改善と総合的な生産性向上を実現しました。さらに、汎用のベンディングマシンを「EGB-1303ATCe」を含むATC付きマシンに入れ替え、増設することを検討しているとのことです。

同社は、1946年に兵庫県豊岡市で起業し、ATMなどの精密機器部品からシェアを拡大。2000年以降にヘルスケア分野に参入し、調剤用の分包機や血液分析装置など幅広く手掛けています 。2017年には京都営業所を閉鎖し、営業機能を豊岡工場に集約するとともに、本社・機械加工工場、装置組立工場、板金加工工場の3拠点を整備、強化しています。

組立不良率0.034%という高い品質水準を実現

現在は駅務機器関連が好調で売上に占める割合も直近では60%余りになっています。月間の得意先企業数は35~40社で駅務機器、医療機器、分析機器、半導体製造装置関連の得意先5社で売上全体の大半を占めています。
受注件数は月間平均で約3500件、生産個数は月間平均で約20万個以上となっています。平均ロットは30個。駅務機器製品の中には以前はプレス加工で対応していたものもあり、多品種少量化が進んでいるそうです。

また、ムダのない流れや工程内品質のつくり込みを追求し、生産を安定させることで、組立不良率0.034%という高い品質水準を実現しました。通常の10倍(1500の検査項目)の出荷検査を実施するとともに、部品の組立受入検査は有資格者のみが担当し、初期流動管理(機構の重要部分に対する厳密な部品選定)の実施を徹底しています。現在は受注品の80%がリピート品で、20%が新規品・設計変更品となっています。

中野忠信製造部長は「少子高齢化による労働人口減少は避けられません。自然減による当社の人手不足も今後深刻になることが考えられます。そこで2020年頃から『省人化』『省力化』『スキルレス化』への取り組みを強化してきました。当社では以前からOJTによる社員教育を重視しており、独自の教育カリキュラムを整備しています。カリキュラムに沿って教育を行い、一定のスキルを習得した社員には資格が与えられ、初めてお客さまの製品を製造することができます。早い社員では数年で複数工程をマスターし、多能工に育ちます」と説明しています。

同社ではこうした取り組みの一環として、熟練技術者が持つ金型選定や曲げ順序の決定など、高度な技術が必要とされる曲げ加工の省力化・スキルレス化対応を検討してきました。そして、金型段取り作業を短時間に自動で行うことができるATC付きベンディングマシンを導入し、経験の浅い社員でも即戦力として複雑形状を加工できるようにする方法を検討しました。

ブランク工程では材料歩留り優先の考えで、鋼種・板厚が同じであれば異なる製品の部品も割り付けて加工するネスティング加工を行っているため、曲げ工程でも同様にステップベンド加工で複数の部品に対して共通の金型レイアウトを自動生成し、金型段取り回数を最小化する多品目一括金型段取り機能を搭載した曲げ加工用CAM 「VPSS 4ie BEND」で曲げ加工データの作成を全自動で行っています。

そこで作成した曲げ加工データを使って、加工を行うことを目的に2024年8月に「EGB-6020ATCe」の1号機を導入しました。

「1号機の担当者はそれまで汎用マシンを操作していた女性従業員です。曲げ作業に問題はないのですが、重い金型を抱えての金型交換作業は女性では大変でした。そこで「EGB-ATCe」の1号機は、力仕事の負担を軽減するため女性の従業員に使ってもらおうと考えました」と中野製造部長は言っています。

「VPSS 3i BEND」による曲げ加工可否の検証画面

「VPSS 3i BEND」による曲げ加工可否の検証画面

1日あたりの処理件数が
2倍以上に増加

「効果は想定以上でした。まず金型段取りの大幅な省力化・スキルレス化です。段取り時間は282分から56分となり、作業時間に占める1日あたりの処理件数が2倍以上に増加、機械稼働率が大幅に改善しました。それによって1日あたりの処理件数が7件から17件と2倍以上に増加しました。女性従業員も『重い金型交換が不要となり、楽になりました』と言っています。また、熟練度に関係なく安定した品質での生産が可能となり、工程能力が向上しました。金型交換中に作業指示書の確認・記録などの作業を行うことで、作業負荷の軽減にもなりました」。

「女性従業員からオプションのタブレットHMIが『曲げ作業をサポートしてくれるので大変便利』という意見も聞いています。作業者の正面で、作業の場面に合わせて加工の支援情報が表示されます。加工の特徴からNCが通知項目を自動で選定し、シンプルな曲げでも加工時の注意点をアイコンで表示してくれるので作業支援に役立っています。そうした導入効果を見て2025年6月に『EGB-6020ATCe』の2号機を、10月に3、4号機を導入。現在では4台の『EGB-6020ATCe』がフル稼働しています」。

「当社ではTPS(トヨタ生産システム)をベースとした独自の改善活動SKPS(SeiKosya Production System)に取り組んでおり、工程の技術的難易度の解決、作業負荷的難易度の軽減、ムダ取りや5S・3定を徹底しています。「EGB-ATCe」導入は設備投資との相乗効果によって現場改善と総合的な生産性向上を実現しています。残りの汎用マシンも「EGB-ATCe」への入れ替えを検討していきたい」と中野製造部長は導入の効果について説明しています。

段取り短縮・品質安定化・属人化解消を実現する
「EGB-1303ATCe」

(株)深沢製作所(神奈川県足柄上郡中井町、高須充社長)は「EGB-1303ATCe」導入が、「段取り短縮・品質安定化・属人化解消などの経営課題改善に大きな効果を上げた」としています。

同社は1968年、東京都世田谷区で設立されました。当初より情報機器・放送機器・AVC機器などのトップメーカーの協力会社として試作、量産を手がけ、1988年には神奈川秦野市内に神奈川工場を建設、工場を移転しました。

当時売上の大半を占めていた得意先は、ITバブル崩壊後から急速にグローバル化を進め、設計・開発部門と製造部門を丸ごと海外へシフトする大胆なリエンジニアリングで地産地消・文化圏設計を進め、サプライヤーの再編、部材調達の国際化による「最適調達」が進みました。発注・図面情報のネットワーク化に積極的に取り組み、3次元CADによるものづくりと、インターネットを活用した電子受発注(EDI、WEB)システムの導入を進めました。

曲げ工程のボトルネック解消にも貢献した自動金型交換装置付きベンディングマシンEGB-1303ATCe

曲げ工程のボトルネック解消にも貢献した
自動金型交換装置付きベンディングマシン
EGB-1303ATCe

そうした中、同社では得意先のQ,C,Dを担保するため、2007年に神奈川県足柄上郡に神奈川工場を移転、工場面積は一気に3倍に広がりました。さらに3次元CADを導入し、得意先と共通のプラットフォームを構築、設計提案にも注力していきました。

また、社員のスキルアップに取り組み、加工、組立、検査などの工程内作業が正確に行えるスキルを身につけるための社員教育を進めるとともに、社員のモチベーションアップをはかるための取り組みを行うようになりました。2022年には「社員専用スポーツジム」を開設し、有酸素マシンや筋力トレーニング、ランニングマシンなどを設置、昼休みや終業後に自由に利用できるようにしました。

一方で、同社は独自の取り組みとして工程作業の分析を行っています。

高須充社長は「曲げ工程は金型取り付け、寸法調整、加工開始承認、曲げ加工、全数検査で品質を確認し、結果を承認する4つに分類する――といった以前は作業者1人で行っていた工程を4人で行うようにしました」。
「作業を分業するため、7~1級まで細分化した当社独自の技能等級制度で職務職能を決め、等級が1級上がると1点付加され、職務給が1000円ずつ加算される職務職能給を導入しています。これによって、各作業者のスキルレベルに応じた適切な業務配分を行うことができ、ベテラン職人に依存しない生産体制を構築。女性社員の活用も進み、製造現場では社員の40%が女性になっています。等級の取得は自己申告か上長の判断で、職場単位で資格試験を行っています」と説明しています。

CPK(工程能力指数)≧1.33実現を目指す

同社は試作段階から量産を見据えた積極的なVA/VE提案により、板金構造の最適化やコストダウン、組み付け性向上、輸送費削減など、得意先の課題に合わせた最適な製作方法を提案しています。それを支えているのが独自の社内制度によって培った現場力です。

また、品質管理に対してはプレス加工と同等の工程能力、CPK(工程能力指数)≧1.33を実現するために、工場の中心に寸法測定エリアを設け、2次元画像測定器3台、3次元画像測定器、3Dスキャナー型3次元画像測定器など5台を設置しています。
ノギスなどの測定機器具は検査工程や加工現場に確認用の数本があるのみで、検査・測定のデジタル化が進んでいます。さらに、過去の検査記録をデジタルで保管・参照できる仕組みへと再構築したことで、リピート品についての検査の再現性やトレーサビリティーを確保。図面変更や仕様変更があっても確実に品質が保証できるようになっています。

工程内検査・出荷検査は工場中央に設置された5台の画像検査装置やスキャナー、3次元画像検査装置で行う

工程内検査・出荷検査は工場中央に設置された5台の
画像検査装置やスキャナー、3次元画像検査装置で行う

現在の得意先は200社を超えますが、受注内容も放送機材・AV機器が大幅に減り、現在では医療機器・半導体製造装置が多くなっています。

また、以前は新規開拓を外部業者に一部依頼していましたが、現在は自社営業部門で行っています。ここ数年は政府がスタートアップ企業に様々な助成制度を創設したこともあり、スタートアップ企業に的を絞った営業も展開し、現在は7~8社から受注が増加中。毎月の受注数は1000件で、出荷個数は2万点。このうち70%がリピート品で、新規・設計変更品が30%となっています。

作業効率・稼働率が向上

板金加工の中でも曲げ加工は従来から自動化が難しく、作業者に頼らざるをえない工程で、段取り時間による停滞、作業指示書の作成作業の増加により、ボトルネックになることが多かった。曲げ工数が増えれば増えるほど納期遅延を起こしやすく、限られた加工者の残業休出増加により、コストアップとESダウンの原因になっていたそうです。

同社では曲げ工程の属人化を避ける目的で工程を分割、曲げ加工であれば職務分掌に従って4人の作業者で行う仕組みを構築するとともに、2007年にはベンディングロボットシステム「ASTROⅡ-100NT」を導入しました。
また、2024年には段取りの短縮・品質の安定化・属人化の解消といった、板金工場の経営課題を総合的に改善する目的で作業者支援機能を備えていた「EGB-1303ATCe」を導入。作業指示書が画面で確認できるので、紙の指示書が不要になりました。教育時間も短縮することができ、熟練者が不在のときにも安定した生産が可能で、作業効率・稼働率が向上したとしています。

現在同社ではベンディングロボット、汎用マシン、「EGB-ATCe」の計9台がフル稼働しています。また、作業を分割することで設備の有効活用、ボトルネック解消を実現しました。

これらの事例を見ても「EGB-ATCe」が備える新しい機能を活用することで、曲げ作業時間を大きく短縮し、生産性の向上と属人化からの脱却を実現していることが分かります。
特に、突き当てや位置決め作業の改善による段取り時間の削減は、稼働率の向上に直結します。熟練した技能に頼らずとも大きな効果が得られる「使いやすさの追求」は、現場の課題解決にとどまらず、製造現場の変革を後押しする持続可能な取り組みへとつながります。

曲げ作業時間の大幅な短縮と、
使いやすさを追求する

「EGB-ATCe」の
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