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板金加工の基礎講座Ⅲ
図面の読み方・書き方

第15回 公差 Part3

第4章-3

第4章 公差

3. 幾何公差

寸法の誤差を指示するものを「寸法公差」、形状の誤差を指示するものを「幾何公差」と呼びます。一般に幾何公差を指定する図面は少なく、なぜなら幾何公差を入れなくてもある程度満足できるレベルのものが仕上がってくるからです。下の左図のように穴の位置指示のみでは、斜めに穴があけられていても、図面の基準は満たしています。下の右図では、まっすぐに穴あけするために、幾何公差の「平行度」にて指示しています。

幾何公差は「単独形体」と「関連形体」の大きく2種類に分かれます。

単独形体…真円度のようにその形状自体に指定するもの。

関連形体…平行度や直角度のように相手との関係を指定するもの。

単独形体、関連形体は下表のように、形状・姿勢・位置・振れの4つに分類され、さらに細かく分かれます。
各公差の記号とデータムの有無を下表に記します。
※データムは、関連形体における基準となる面や線に対し、指示するものです。

適用する形体   公差の種類 記 号 データム有無
単独形体 形状公差 真直度公差 真直度公差 無
平面度公差 平面度公差 無
真円度公差 真円度公差 無
円筒度公差 円筒度公差 無
単独形体又は関連形体 線の輪郭度公差 線の輪郭度公差 無
面の輪郭度公差 円の輪郭度公差 無
関連形体 姿勢公差 平行度公差 平行度公差 有
直角度公差 直角度公差 有
斜面度公差 斜面度公差 有
位置公差 位置度公差 位置度公差 有
同軸度公差又は同心度公差 同軸度公差又は同心度公差 有
対称度公差 対称度公差 有
振れ公差 円周振れ公差 円周振れ公差 有
全振れ公差 全振れ公差 有
  1. 公差の図示
  2. 1) 公差についての表示事項は、公差記入枠を2区画またはそれ以上に区分して、その中に記入します。

    これらの区画には、それぞれ次の内容を(a)~(c)の順序に左から右に記入します。
    (a) 公差の種類を表す記号
    (b) 公差値
    (c) データムを指示する文字記号
    なお、規制する形体が単独形体の場合は、文字記号を付けません。

    2) “6コ”、“4面”のような公差付き形体に関係して指示する注記は、公差記入枠の上側に書きます。

    3) 一つの形体に二つ以上の種類の公差を指定する必要があるときには、これらの公差記入枠を上下に重ねます。

  3. データムの図示方法
  4. 1) 形体に指定する公差が、データムと関連するときには、データムは原則としてデータムを指示する文字記号によって示します。

    データムは、英大文字を正方形で囲み、これをデータムであることを示すデータム三角記号と指示線を結んで示します。データム三角記号は、塗りつぶしても、塗りつぶさなくてもどちらでもかまいません。

    2) データムを指示する文字によるデータムの示し方は、次の通りです。

    (a) 線または面自体がデータム形体である場合には、形体の外形線上または外形線を延長した細線上に(寸法線の位置を明確に避けて)データム三角記号を付けます。

    (b) 寸法を指定してある形体の軸直線または中心面がデータムである場合は、寸法線の延長線をデータムの指示線として用いて示します [図(1)(a)、(b)、図(2)]。

    備考 寸法線の矢を寸法補助線または外形線の外方から記入した場合は、その一方をデータム三角記号で代用します [図(2)、図(3)]。

    図(1)(a)

    図(1)(a)

    図(1)(b)

    図(1)(b)

    図(2)

    図(2)

    図(3)

    図(3)