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板金加工の基礎講座Ⅳ
板金材料

第12回 鉄鋼材料の種類 Part11

第2章-11

第2章 鉄鋼材料とは

3. 表面処理鋼板

1. 亜鉛めっき鋼板
  1. 溶融亜鉛 - アルミニウム-マグネシウム合金めっき鋼板(JIS G3323)
  2. 亜鉛を主にアルミニウム、マグネシウム合金によるめっき層を持つ、溶融めっき鋼板です。
    溶融亜鉛-55%アルミニウム合金めっき鋼板に匹敵する耐食性、耐候性を有しています。しかし、切断端面部は地鉄が露出しているため、赤錆が発生しやすいのが、切断端面周辺部のめっき成分が溶け出して保護皮膜をつくり、切断端面を覆うため、長期的には腐食がほとんど進行しません。
    また、他の溶融亜鉛めっき鋼板や溶融亜鉛-アルミニウム系合金めっき鋼板と比較して、めっき層が硬いため、耐疵付き性に優れています。
    主に立体駐車場、防音壁、エアコン室外機などに使用されています。

    1) 種類、記号
    JIS記号
    熱延原板を用いた場合※1
    種類の記号 表示厚さ(mm) 適用
    SGMHC 1.6以上 9.0以下 一般用
    SGMH340 高強度一般用
    SGMH400
    SGMH440 1.6以上 6.0以下※2
    SGMH490
    SGMH540

    ※1 表示厚さ1.6mm以上3.2mm以下に対して、特に熱延原板の指定がない場合は、熱延原板の仕様を満たす冷延原板を使用してもよい。

    ※2 受渡当事者間の協定によって、表示厚さ6.0mm超え9.0mm以下を適用してもよい。

    冷延原板を用いた場合
    種類の記号 表示厚さ※3(mm) 適用
    SGMCC 0.25以上 3.2以下 一般用
    SGMCH 0.20以上 1.2以下 硬質一般用
    SGMCD1 0.40以上 2.3以下 絞り用1種
    SGMCD2 絞り用2種
    SGMCD3 絞り用3種
    SGMCD4 絞り用4種 非時効性※4
    SGMC340 0.25以上 3.2以下 高強度一般用
    SGMC400
    SGMC440
    SGMC490
    SGMC570 0.25以上 2.0以下

    ※3 受渡当事者間の協定によって、この表にない表示厚さを適用してもよい。

    ※4 非時効性とは、加工の際にストレッチャストレインを発生しない性質をいう。

    また、各種溶融亜鉛めっき鋼板の特性を比較すると、以下のようになります。

    (良← ◎、○、△ →劣)

    種類

    項目

    溶融亜鉛
    めっき鋼板
    溶融亜鉛-アルミニウム
    合金めっき鋼板
    溶融アルミニウム
    めっき鋼板
    溶融亜鉛
    アルミニウム
    マグネシウム
    合金めっき鋼
    5%
    Al-Zn
    55%
    Al-Zn
    耐食性(裸板)
    耐熱性