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板金加工の基礎講座Ⅳ
板金材料

第13回 鉄鋼材料の種類 Part12

第2章-12

第2章 鉄鋼材料とは

3. 表面処理鋼板

1. 亜鉛めっき鋼板
  1. 電気亜鉛めっき鋼板(JIS G3313)
  2. 電気めっき鋼板は、溶融めっき鋼板と異なりめっき工程で熱の影響を受けることがありません。また、素材の材質変化がほとんどないため、熱延鋼板や冷延鋼板と同じ材質特性が得られます。 さらに、めっき付着量が均一で表面も平滑であり、片面めっき、差厚めっきが容易にできる特長をもちます。

    溶融亜鉛めっき鋼板と電気亜鉛めっき鋼板の特性比較
    溶融亜鉛めっき鋼板 電気亜鉛めっき鋼板
    420C°以上に溶融した亜鉛に侵漬するので、
    鉄と亜鉛の境界に合金層ができる。
    亜鉛を電気化学的に鋼板の表面に析出させたものなので
    合金層は存在しない。
    めっき層は厚目付でバラツキが多い。 めっき層は薄目付が普通であり均一で、表面は平滑である。
    加工性(曲げ)は電気めっきに劣る。 加工性(曲げ)は溶融めっきより良い。
    1) 種類、記号
    JIS記号

    原板は原則として下記材料によります。

    • JIS G3131(熱間圧延軟鋼板、および鋼帯)
    • JIS G3141(冷間圧延鋼板、および鋼帯)これは原則としてダル仕上げの標準調質とする。
    • JIS G3101(一般構造用圧延鋼材)
    • JIS G3113(自動車構造用熱間圧延鋼板、および鋼帯)
    • JIS G3134(自動車用加工性熱間圧延高張力鋼板、および鋼帯)
    • JIS G3135(自動車用加工性冷間圧延高張力鋼板、および鋼帯)
    熱延原板を用いた場合※1
    種類の記号 表示厚さ(mm) 適用 原板の種類の記号
    SEHC※2 1.6以上 4.5以下 一般用 SPHC
    SEHD※2 絞り用 SPHD
    SEHE※2 深絞り用 SPHE
    SEFH490 加工用 SPFH490
    SEFH540 SPFH540
    SEFH590 SPFH590
    SEFH540Y 2.0以上 4.0以下 高加工用 SPFH540Y
    SEFH590Y SPFH590Y
    SE330 1.6以上 4.5以下 高強度一般用 SS330
    SE400 SS400
    SE490 SS490
    SE540 SS540
    SEPH310 高強度一般加工用 SAPH310
    SEPH370 SAPH370
    SEPH400 SAPH400
    SEPH440 SAPH440

    ※1 表示厚さ1.6mm以上3.2mm以下に対して、特に熱延原板の指定がない場合は、熱延原板の仕様を満たす冷延原板を使用することができる。

    ※2 SEHC、SEHD、およびSEHEは、受渡当事者間の協定によって、この表以外の表示厚さを適用してもよい。

    冷延原板を用いた場合
    種類の記号 表示厚さ(mm) 適用 原板の種類の記号
    SECC※1, 2 0.4以上 3.2以下 一般用 SPCC
    SECD※1 絞り用 SPCD
    SECE※1 深絞り用 SPCE
    SECF※1 非時効性深絞り用 SPCF
    SECG※1 非時効性超深絞り用 SPCG
    SEFC340 0.6以上 2.3以下 絞り加工用 SPFC340
    SEFC370 SPFC370
    SEFC390 加工用 SPFC390
    SEFC440 SPFC440
    SEFC490 SPFC490
    SEFC540 SPFC540
    SEFC590 SPFC590
    SEFC490Y 低降伏比形 SPFC490Y
    SEFC540Y SPFC540Y
    SEFC590Y SPFC590Y
    SEFC780Y 0.8以上 2.3以下 SPFC780Y
    SEFC980Y SPFC980Y
    SEFC340H 0.6以上 1.6以下 焼付硬化形 SPFC340H

    ※1 SECC、SECD、SECE、SECF、およびSECGは、受渡当事者間の協定によって、この表以外の表示厚さを適用してもよい。

    ※2 SECCの調質区分が標準調質及び焼なましのままの場合に、注文者の指定によって、引張試験を規定するときは、種類の記号の末尾にTを付けてSECCTとする。