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  4. 板金材料 | 第17回 鉄鋼材料の種類 Part16

板金加工の基礎講座Ⅳ
板金材料

第17回 鉄鋼材料の種類 Part16

第2章-16

第2章 鉄鋼材料とは

3. 表面処理鋼板

4. ぶりき・ぶりき原版(JIS G3303)
■表面仕上げ

電気めっきぶりきの表面仕上げは、めっき後の仕上げ方法により、電気めっき後すずの溶融操作を行って得られる光沢仕上げのものと、すずの溶融操作を行わないつや消し仕上げのものがあり、さらに原板の表面仕上げにより、下表のように区分されます。

電気めっきぶりき表面仕上げ区分
製品 記号 区分 特徴
一回圧延製品 ブライト仕上げ 目の細かい砥石目のある滑らかに仕上げた原板に、すずの溶融操作を行って得られる光沢のあるもの。
粗面仕上げ 一定方向の砥石目が見られることを特徴とする原板に、すずの溶融操作を行って得られる光沢のあるもの。
シルバー仕上げ 粗いダル状表面をもつ原板に、すずの溶融操作を行って得られる光沢のあるもの。
マット仕上げ 通常ダル状表面をもつ原板に、すずの溶融操作を行わないつや消しのもの。
二回圧延製品 粗面仕上げ 一定方向の砥石目が見られる原板に、すずの溶融操作を行って得られる光沢のあるもの。

原板の表面仕上げは、下表のように区分する。

原板の表面仕上げ区分
製品 記号 区分 特徴
一回圧延製品 ブライト仕上げ 目の細かい砥石目のある滑らかな表面仕上げ。
粗面仕上げ 一定方向の砥石目が見られる表面仕上げ。
マット仕上げ ダル状表面仕上げ。
二回圧延製品 粗面仕上げ 一定方向の砥石目が見られる表面仕上げ。
■原板の鋼種
原板の代表的鋼種
製品 備考
M R 残留微量成分が少ないので、優れた耐食性をもち、容器その他広く一般的用途に用いる。
Cu, Ni, Cr, Moその他の残留微量成分が特に少ないもので、極めて優れた耐食性をもつ容器材料として用いる。
lキルド鋼であって、深絞り加工やリューダース模様の発生しやすい加工を受ける用途に用いる。
■呼び方

ぶりき、および原板は、通常次のように呼びます。

<板の場合>

板の場合
2)板厚
■ぶりき原板の厚さ
  • 0.50mmの場合は0.01mmの倍数
  • 0.50mm以上の場合は0.05mmの倍数とします。
■ぶりき、および原板の厚さ許容差

呼び厚さに対して±10%とします。

5. ティンフリースチール(略称:TFS、JIS G3315)

ティンフリースチールとは、すずの資源節約のため、すずを使わないぶりきの代用品として開発されたものです。
めっき層は、金属クロム層とクロム水和酸化物層の2層で構成されています。
JIS規格では、冷間圧延によって製造した原板に、電解クロム酸処理を施した呼び厚さ0.15mmから0.60mm低炭素鋼一回圧延のティンフリースチール、および呼び厚さ0.14mmから0.36mmまでの低炭素鋼二回圧延のティンフリースチールについて規定しています。

1)記号
記号

※その他の呼び方は、JIS 3315 を参照