特殊な金型や保護材の活用により、安定的に肩キズを低減します
被加工材とダイ肩部の摩擦抵抗を減らすことにより、肩キズを低減することができます。キズ防止効果の持続性や汎用性、加工する材料の材質、板厚などによって適した方法を選択することが重要です。
金型による対策
曲げキズを軽減する各種金型を紹介します。
AFH 1Vダイ
通常の2Vダイに比べて肩Rが大きいダイを採用するとともに、保護シート付きの材料を使用することで肩キズが低減されます。

ウイングベンド※1金型
旋回式のウイングピースを使った金型を使用することで材料と金型との滑りが軽減され、ダイと材料が面で当たるので肩キズを大幅に低減されます。さらに、短いフランジ(立上り)を曲げる時や曲げ際に穴が開いているときなどにも有効です。
※1 「WING BEND」は東京精密発條株式会社の登録商標です。

セラチックダイ
ステンレス・カラー鋼板・塩ビ鋼板などのキズ対策には、弾性体の特殊樹脂製ダイを使用することで肩キズや継ぎキズが軽減されます。通常の金属製金型と比べて約半分の重量のため、非常に軽量で取り扱いも容易です。

アルミ・ステンレス用2Vダイ
アルミやステンレスは肩Rが大きいダイを使用することで肩キズを低減することができます。
通常の2Vダイに比べて肩Rが3倍以上のダイがお勧めです。

AX金型
アルミやステンレスでも板厚2mm~4.5mmの場合は、さらに大きな肩Rと耐摩耗性の高い金型がお勧めです。
AX金型は、従来品3倍以上の耐摩耗性を実現し、大きな肩Rで肩キズを低減します。

ウレタンダイ
ステンレス、SPCCの薄板で曲げRが大きな製品のキズ防止には、ウレタン素材のダイがお勧めです。

保護シートによる対策
現在所有している金型を使って、キズを低減する方法を紹介します。
ウレタンシート
耐久性の高いウレタンのシートをダイの上に載せて加工することにより、曲げキズを軽減するとともに通常のテープに比べ、張り替えの手間が削減できます。
自由にカットして使えるキズ対策の定番品です。厚さは3種類から選べます。

ウレタンキャップ
パイプ形状のウレタン。1Vダイにワンタッチで取り付けができ、ウレタンシートの2倍以上の耐久性があります。

キズレステープ
脱着が要らない金型には、特殊繊維製で耐久性が高く、曲げ精度のバラツキが少ないテープタイプがお勧めです。亜鉛皮膜の付着が少ないので電気亜鉛めっき鋼板に最適です。

キズノンシート※2
加圧時の厚さは0.1mmと極薄のため、曲げへの影響が少なく、耐久性も高いため、ずらして使うことで繰り返し使用でき経済的です。材質は防弾チョッキなどに使われる特殊繊維製です。
※2 「キズノンシート」は東栄工業株式会社の登録商標です。

めっき処理による対策
その他、金型をめっき処理することでもキズを軽減できます。
ハードクロムめっき処理
既存の金型に硬質クロムめっき処理をすることで、肩キズの軽減とともに金型の耐摩耗性の向上、防錆性を高めます。亜鉛皮膜の付着が少なくなり、肩Rの大きいダイを組み合わせることで、より肩キズを低減します。
