厚板レーザ加工の生産性を
向上したい
厚板加工を取り巻く環境
昨今の製造業を取り巻く環境の変化は、新型コロナウイルス感染症を筆頭に、ロックダウンによる需給バランスやサプライチェーンのタイトな状況、環境問題に対処するための産業構造の変化、輸送コストや材料価格の高騰、少子高齢化による人手不足など大変厳しい状況になっています。
このように様々な背景から鋼材価格が急騰し、金属加工業を圧迫しています。
この状況に対応するためには加工不良を防止し、材料コストを吸収する効率の良いモノづくりが求められています。
今回はブランク加工で、特にこれらの影響を受けやすい厚板加工に着目し、課題とその対策をご紹介します。
レーザによる厚板加工の課題は
1. 厚板は加工時間が長くコスト高
中厚板~厚板の加工ができるレーザ加工機は、厚板になればなるほどピアス加工に時間がかかり、さらに切断速度が遅くなるため、厚板は加工時間が長くなり、コストもかさみます。
2. 酸化被膜除去の後工程が必要になる
中厚板~厚板の領域では、酸素をアシストガスに使用する方法が一般的です。酸素で切断を行うと切断面に酸化被膜がつき、溶接や塗装の工程で不良の原因となるため、レーザ切断の後工程としてサンダー掛けなどの後工程が必要になります。
3. 製品の上面と下面で寸法差が出ることがある
軟鋼厚板は、酸化反応を利用して切断します。製品下面ほど燃えやすいため、製品上面寸法よりも下面寸法が小さくなり(テーパがつく)、寸法差が出ることがあります。
4. 日常メンテナンスが重要
厚板加工における加工不良には、ノズルの損傷確認や保護ガラスの清掃等といった日常的な点検・メンテナンスを行うことで予防できる場合が多くあります。
5. 重労働
中厚板から厚板加工は、材料のセット・バラシ・残材処理に至るまで、全ての作業が重労働となり、作業者の肉体的な負担が大きくなります。
厚板加工は品質・生産性を落とさず
加工することが難しい上に、
重労働・コスト高