厚板の曲げ加工を早く・
精度良く行いたい
厚板曲げ加工の現状
近年のコロナ禍によるサプライチェーンの変化や、鉄鋼メーカーの国内生産能力の削減、世界的な脱炭素化の流れなどを受け、鋼材不足や材料の高止まりの状況が続いています。
こうした状況に対応していくためには、加工不良を防止し、材料コストを吸収する効率の良いモノづくりが求められています。
厚板曲げ加工の課題は?
1. 厚板は精度出し&角度出しが難しい
厚板になればなるほど、曲げ加工後にスプリングバックと残留応力が強く発生するため、目的の角度まで精度良く曲げることが難しくなります。
金型耐圧オーバーのアラーム
2. 厚板はコストが高額
厚板は材料コストが高額であることに加え、曲げ加工では一度で正確な角度を出すことが難しく、試し曲げが増えるとともに、コストが上昇してしまいます。
曲げ加工後の修正作業
3. 肩キズが強く出る
厚板の曲げ加工では、材料がダイ金型の肩部分に引っ掛かり、肩キズが強く出てしまったり、ダイの肩部分に強い負荷がかかり、破損してしまう事例があります。
厚板用ダイの肩キズ
4. 金型 (厚板加工用) は重い
厚板曲げ加工に用いる金型は、板厚に応じた大きなV幅を選択することが多く、非常に重量があります。金型段取り時に金型の位置決めをするだけでも、作業者に大きな負担がかかります。
5. 重労働
同様に、厚板曲げの作業は、突き当て・マテハン・バンザイ作業など、全ての作業が重労働となり、作業者の肉体的な負担が大きくなります。
このように、厚板の曲げ加工は、重労働かつ精度確保のために手間がかかり、生産性を上げにくい課題があります。