ボックスの仕上げ作業やバラツキを抑制
加工技術提案
この工数のかかる溶接個所を削減する方法として、3つの加工事例をご紹介します。
- コーナー部に別パーツを溶接してR面に仕上げしていた個所を、ヘミング加工後に奇麗にR曲げする加工に置き換える方法。
- 次に、ボックス本体の分割パーツをTIG溶接から、ブランク加工機による溶接レスの接合成形加工に置き換える方法。
- さらに、小物パーツの取り付けをスポット溶接に換わるロック機能付きほぞ溝の提案。
溶接個所の削減事例
1. ヘミング部をR曲げするスリット加工
ヘミング加工部を普通にR曲げすると、下図のようにカモメ形状に変形する問題がありました。

内回りする板の逃げ場がないので変形

カモメ形状に変形
変形防止の対策としてR曲げ部の始めと終わりにスリット加工を入れることで変形を抑えることが可能になり、奇麗なR曲げ加工を行うことができます。
また、ヘミング加工による板厚段差は、パンチ側に捨て板(治具)を挟んで左右の板厚を同じにし、R曲げ加工を行うことで解消できます。
ヘミング加工部を奇麗にR曲げ加工する方法


2. 本体を接合する接合成形加工
従来、2つのパーツを溶接していたボックス本体は、ブランク加工機で接合成形加工を施すことで、はめ合わせるだけの溶接レス接合が可能になります。
接合成形加工は、接合金型で板厚段差とクサビ付き成形を同時に加工し、差し込み側の穴に挿入することで、外れない接合ができます。



接合金型

接合成形加工

クサビ部を穴に
挿入で接合完成
小物パーツの取り付け合理化に対応
3. 取っ手をつけるロック式ほぞ溝
蓋の取っ手はスポット溶接で取り付けていました。
ファイバーレーザ加工機でほぞ部にスリット加工を施し、ロックできる機能をつけたほぞを、ほぞ溝の穴に差し込むだけで外れない接合が簡単にできます。


効果
■ 生産性比較
溶接個所を削減した生産性


※マシン・作業者・作業環境等で時間は変わります。