板金加工の工夫でネジを削減できる
加工提案
板金の加工方法を工夫することで、ネジを使わず、ハードディスクケースを2段に重ねて接合する方法をご提案します。
■ 1段目の固定方法:ほぞと、ほぞ穴加工でロックする
- まずはじめに、差し込むケース側は、ブランク加工でほぞ穴側の板厚分のスリットを設けた特殊なほぞ形状と、抜け止め用の突起形状を加工します。
- 次にほぞ穴側は、入口を広くすることで入れやすくした穴と、抜け止め用の穴を加工します。

特殊なほぞ形状
特殊なほぞ穴形状
ほぞ穴の広くした入口側の穴に板厚スリット形状のほぞを差し込み、停止位置までスライドさせることで、抜け止めが抜け止め用穴に入り、この特殊なほぞとほぞ穴は、逆側にスライドしない機構になっているため、ロックされて接合と位置決めを行うことができます。
これにより、差し込みとスライドだけで、誰でも簡単に接合と位置決めを行うことができます。
1) 差し込み

2) スライド

3) 接合

■ 2段目の固定方法:ブリッジ成形加工を利用して接合する
- まずはじめに、ブリッジ成形金型を使用してブリッジ成形加工を行います。
- 次に接合するもう一方も、ブリッジ成形金型を使用してオフセット成形(ブリッジ成形の半分の形状)加工を行います。
- 最後に、広いブリッジ成形とオフセット成形の組み合わせにより、安定した差し込み接合が可能になります。これにより、誰でも簡単に接合することができます。


オフセットした成形面をブリッジ成形面に差し込むことで接合
1) 差し込み
2段目を1段目に差し込みます

2) スライド
突き当たるまでスライドさせます

3) 接合
ロックして固定されます

効果
■ 生産性比較
ネジ止めを削減した生産性比較


※マシン・作業者・作業環境等で時間は変わります。
まとめ
★ネジ止め作業を削減することで
- ネジや工具の準備が不要で、誰でも簡単に短時間で作業ができる。
- 付け忘れや、ネジ山のつぶれなど、気を使った作業がなくなる。
- ネジの紛失や、緩んで外れるリスクを改善できる。