スポット溶接の段取りの
手間を解消したい
スポット溶接の現状
スポット溶接とは、接合する金属の上下から電極で圧力をかけて電流を流して、電気抵抗により発生した熱で金属を溶かして溶接する抵抗発熱による接合方法です。
スポット溶接の特長は、短時間で局所的に熱が集中すること、また、電極の加圧により固定されることでワーク（母材）の変形が抑えられ、接合面を密着できる利点があります。他の溶接方法と比較すると、ひずみが小さいことは大きなメリットといえます。
現在では、このような利便性の高い特長から、重要な構造物の一部にも用いられるようになりました。 例えば、工作機械、車輌など、様々な板金部品の製造に有効な手段として 、欠かせない溶接工法の一つとなっています。
熟練の技能と工数が必要
スポット溶接を行うためには、以下のような課題があります。
- 溶接の条件出しに時間がかかる
- 前段取りの工数が膨大
- 溶接品質を確認する簡単な検査方法がない
スポット溶接では、溶接する材質、板厚毎に溶接条件を調整しなければなりません。経験豊富な作業者がいないと、素早く最適な溶接条件を設定することが難しく、多くの工数がかかってしまいます。
上記の溶接条件算出はもとより、製品に応じた電極の選定、交換、交換後の電極の芯出しなど、溶接を行う前の段取りに多くの工数がかかり、目的の溶接条件が出るまで、これらの作業を繰り返し行う必要があります。条件出しとともに、現場の大きな悩みとなっています。
特にスポット溶接では、ナゲット（溶融部分）が材料の接合面で生じるため、外観から溶接の品質や強度を正確に判断することは難しくなります。そのため、溶接した接合強度のバラツキを確認するための方法として、破壊検査が一般的ですが、母材が破断するまで力をかけて曲げたり、引っ張ったりと手間がかかるため、より簡単な検査方法が求められています。
