「まだまだ現役!」
寿命後も古い加工機を使い続ける方法

板金加工機の現状
近年の板金加工機械は年々進化しており、切断に使用するシャーリングマシンはレーザ加工機により複雑な切断と高速加工が可能に、ベンディングマシンは電動化により緻密な曲げ制御が可能に、溶接機はアーク溶接からレーザ溶接に進化しつつあります。これにより、お客さまの高度な加工品質への要求にも素早く対応できる時代となりました。
しかし、慣れ親しんだ機械で加工をしているオペレーターにとっては、手足のように扱える加工機たちは、「使い勝手の良さから手放したくない」「自身の技能に合った機械を永く使いたい」という想いから、20年から30年も愛用している方も多いのではないでしょうか。
機械の寿命にどう対処するか
いよいよ、苦楽を共にしてきた長寿加工機の調子が悪くなると、生産中止から長い期間が経過した古い機械(ビンテージマシン)の場合は、部品調達の問題、修理費の高騰や不具合個所次第では、修理対応が現実的ではないと診断される時期がいずれやってきます。しかし、生産を止めないためには、急遽代わりの機械を用意する必要があります。
思い切って最新の加工機に入れ換えたいところですが、資金計画や納期、新たに加工検証や機能の学習など、多くの時間と手間がかかります。
いち早く対処する方法はないのでしょうか?

①特急の加工は
外注(協力会社)に依頼する
先ずは、急ぎの加工は外注の協力会社に依頼することで、急場をしのぐことができるでしょう。
しかし、コストが増加したり、重要な加工データやノウハウが流出するリスクがあります。
また、事前の打ち合わせや仕様の伝達、加工品質の確認に時間がかかることも考えなければなりません。
そのため、普段から信頼できる協力会社を確保し、適切な管理体制を整えることが重要となります。
②中古機という
選択肢がある
しかし、同様の加工が今後も継続的に生じる場合は、すべてを外注に依頼するわけにはいきません。
さらに、今回故障した個所が修理できたとしても、年数が経過したビンテージマシンは、他の部品も次々と寿命を迎える可能性により、その後も継続的に機械の停止や精度に影響するトラブルのリスクが高まります。
それでも、同じ機械を使用する必要がある場合は対処法として、中古機を選択肢に入れる方法があります。
<中古機のメリット>- 古い加工機でも市場にある。
- 同等の加工機があれば、短納期で入れ換えることができる。
- 比較的安価に導入することができる。

中古機の選び方・注意点
中古機は玉石混交です
さらに、使われ方や使用頻度、素性など、外観からは正確に確認できない場合がほとんどです。
そのため中古機を選ぶ場合は、以下の点に注意する必要があります。
- 中古機は、すでに特定部分の不調や、故障している場合がある。
- 販売店によってはアフターサービスに問題がある。
- 信頼できる業者がどこか分からない。
- これらの結果、手間も時間もコストも高くついてしまう。