暗記・紙・計算が不要!
生産性が上がる
簡単金型段取り
— タレパン実践操作編 ② —
タレットパンチプレス(NCT)を
お使いの板金工場の現状
板金の抜き加工で使用されるタレットパンチプレスでは、最近では多品種少量の生産品や複雑な形状の製品も多く、抜き形状や成形個所ごとに、適切な金型(パンチ〔上刃〕とダイ〔下刃〕)に交換する必要があります。
板厚や材質によっては、バリの発生やカジリ防止のために、パンチとダイのクリアランス(隙間)を調整する必要があり、材料を変えるタイミングで、複数のダイを一斉に交換する作業が発生することもあります。
また、このタレットパンチプレスの金型交換は、加工機を停止して行う必要があるため、金型交換による段取りが頻繁に発生すると、その都度大きな工数がかかり、生産性が上がらない要因となっています。
紙やオペレーター頼りの
『金型管理』のリスク
金型交換を行うためには、まず、タレットのどこに何の金型が入っているのかを管理するため、金型の配置を覚えるか、紙に書いて金型の配置や寸法や角度など詳細の情報を確認する必要があります。確認のために、加工機の正面にたくさんのメモ紙が貼ってあるのはよく目にする光景かと思います。
このように、タレット図を印刷したり、変更を紙に書き込んだりする紙による管理は、剥がれや破れ、グリスやオイルによって汚れて見えにくくなることもあり、見間違いなどのミスにつながってしまいます。
逆に、紙を使わず記憶に頼って管理している場合、「担当者が不在になると状況が分からなくなる」可能性があります。その結果、急な欠勤で業務が滞ったり、不慣れなオペレーターが対応してトラブルにつながるリスクも考えられます。
特定の担当者に依存せず、他のオペレーターでも金型管理を確実に行える仕組みづくりが求められます。

加工機正面に貼ったメモ紙の数々
ノウハウが必要で時間がかかる
『段取り計算』
金型交換段取りを考える『段取り計算』も間違いが起こりやすい作業です。『段取り計算』では、その日に加工するプログラムの作業指示書を印刷し、それぞれに目を通し、「どのタイミングで何の金型に交換すると効率的に作業ができるか」を考えます。
作業指示書と使用する金型を確認して見比べ、交換する金型を1つずつチェックする作業はノウハウが必要なため、経験の浅いオペレーターにとっては時間がかかってしまう作業です。
計算自体は、加工前に段取り計算を行うか、効率的ではない順番でも加工を始め、後から金型交換作業を行うか、何れかとなりますが、どちらを選択しても時間がかかる作業となります。
神経を使う金型の交換作業
いざ金型を交換をしようとすると、タレット周辺は暗くて、金型をセットするステーションの位置や刻印番号の確認が大変だったり、タレットを回転させても目的のステーションを通り過ぎてしまったり、時間のロスにつながることがあります。そのため、よく確認しながら作業を行わないと、金型を入れ間違えての加工不良や、最悪の場合は金型や加工機の破損につながってしまいます。
慎重かつ間違いのない作業が求められます。

ライトでタレットの刻印を照らし
目的のステーションの刻印番号を確認する
破損した金型の例
