「自動化したい。でも、置けない。」
レーザ加工現場を阻む
“スペースの壁”
工場を圧迫する「スペース」の悩み
都市部の中小製造業において、最も切実な経営問題の一つが「工場のスペース」です。地価が高く、近隣との距離も近い都市型の工場では、敷地を広げたり、天井を高くすることが容易にできません。
そうした限られた空間の中でも、レーザ加工機を導入し、切断スピードが劇的に向上した現場も多いはずです。しかしその一方で、こんな新たな悩みに直面していないでしょうか。
「材料置き場が足りず、気がつけば通路まで材料がはみ出している……」
「加工が終わった仕掛品や残材が床面を占拠して、フォークリフトが通りづらい……」
「山積みになった板金の鋭利な角に、作業者の服や手足に引っかかってヒヤッとした……」
受注状況によって、扱う材料のサイズや板厚は日々変動します。「とりあえず仮置き」するうちに、限られた材料置き場のスペースでは収まりきらず、工場内の動線が分断されたり、気がつけば定位置からあふれた材料の山が工場のあちこちに点在してしまいます。
たまにしか使わない厚板(t10mm以上)を探し回る時間的ロスや、加工機につきっきりでパレット交換を繰り返す人手不足……。
レーザ加工機の性能が上がり、切断スピードが劇的に速くなった一方で、「増え続ける材料や仕掛品をどこに置くか」というスペースの問題が、「悩みの種」となってしまいます。
「5S」 安全への深刻な影響
これらは、工場運営の基本である「5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)」の取り組みに大きく影響し、特に以下のような深刻な問題が起こり得ます。
1. 「とりあえず空いている場所」が通路を塞ぐ
注文状況に合わせて変動する板の材質、サイズ、板厚が多岐にわたると、決められた材料置き場だけでは収まりきらなくなります。空いているスペースに材料の「仮置き」を繰り返すうちに、動線が塞がれてしまいます。
2. 仕掛品の山と「ケガのリスク」
最も深刻なのは安全面への影響です。
加工後の仕掛品やスケルトン(残材)なども、次の工程に移るまでの間、うっかり加工機の周りや通路脇に並べられがちです。その結果、通路幅がどんどん狭くなり、むき出しの板金の鋭い角は、通りかかる作業者のケガの元となり、大変危険です。
3. たまにしか切らない厚板の「隠れた保管先」
「頻繁には切らないけれど、注文が入ったらすぐに切りたい厚板(t16mmなど)」はありませんか?
こうした材料は、工場の奥や、フォークリフトで出し入れするラックの上段などに保管されがちで、いざ注文が入ると「どこに置いたか分からない」と探すだけでも時間がかかり、慌てて取り出そうとしてケガをする原因にもなります。
4. 機械に張り付く必要性
加工機単体の運用や定番のシャトルテーブル(パレット2枚)運用では、材料の入れ替えが頻繁に発生します。深刻な人手不足の中、作業者が材料のセットのために常に加工機に張り付いていなければならず、他の作業に手を回せない状況を作り出してしまいます。
「自動化」に立ちはだかる
“面積”の壁
こうした置き場問題やセット作業の手間を解消し、加工が速いレーザ加工機の能力をフルに引き出す設備が、材料の供給・搬出を自動化する「棚システム」です。
現在、自動化装置の導入率は年々高まり、弊社のお客さまの約35%(右グラフ参照)が、加工機とセットで導入しており、自動化率は年々拡大しています。
重労働の軽減や材料へのキズ防止、長時間自動運転など、得られるメリットは計り知れません。

レーザ加工機の自動化率 ※当社推移
しかし、都市型工場では「スペースの問題」という大きな壁が立ちはだかります。
一般的なタワー型の棚システムを導入する場合は、加工機とは別に最大で幅5m×奥行き6m×高さ6m、といった広い棚システムの設置スペースが必要になります。
「棚を入れるために大規模なレイアウト変更が必要になる」
「フォークリフトが通る通路幅が狭くなる」
「そもそも天井が低く、設置できる空きスペースが存在しない…」

棚システム20段タイプのイメージ
高い天井スペースが必要
<寸法の目安>
高さ :3m~6m
奥行き:5m~6m
※段数により異なります
こうした物理的制約から、泣く泣く自動化を諦め、作業者が加工機に張り付かざるを得ない最低限の「シャトルテーブル運用」にとどまっている現場も多いのではないでしょうか。
「人手不足を解消したいが、工場内が手狭で設置する場所なんてない……」
限られたスペースでは、棚の自動化は諦めるしかないのでしょうか?
