第5回 形状の表し方 Part2
第2章-2
第2章 形状の表し方
2. 図形の立体図示法
品物を立体図で表すと、実際の形状をイメージするのが簡単になります。言葉や文章で品物の形状を説明しても相手に伝わりにくく、説明図としてよく使われています。
1)等角図
等角図とは、直交する3軸X, Y, Zが互いに120°になるようにし、各軸の方向の長さを実長と等しくとって描く図のことをいいます。
2)キャビネット図
キャビネット図とは、品物の正面の形を正投影で表し、奥行きだけを斜めに描いた図のうち、奥行きの長さを実長の1/2にして描いた図のことをいいます。
奥行きの線は水平軸に45°傾けて描きます。
3. 断面図
品物の見えない部分の形を示すのに破線を用いることはすでに述べました。品物の形が簡単な場合には破線で十分目的を達します。しかし内部の形が複雑である場合とか数個の部品より組立られるものを示す場合には、これを破線で示したのでは図が混乱して大変読みにくいものとなるため、このような場合、断面図を用いることで分かりやすくなります。また、下図に示すように品物を仮想の切断面で切断して、品物の手前側をとり去った場合、その断面の投影図を断面図といいます。
(a)正投影図
(b)断面図
正投影図と断面図
- 断面は原則として基本中心線で切断した全断面図で表す。この場合切断線は記入しない。
- 上下または左右対称な品物でやむを得ない場合は、外形と断面を同時に表すことができる。(片側断面図)
- 断面は、必要がある場合には、基本中心線でない所で切断した面で表してもよい。
この場合切断線によって切断の位置を示す。 - 断面は、必ずしも一直線によらないで、階段状に切断することができる。この場合切断線によって切断の位置を示す。
- 対称形状またはこれに近い品物の場合には、対称の中心線を境として、その片側を投影面に平行に切断し、他の側を投影面とある角度をもって切断することができる。
- 曲がった管などの断面は、その曲がりの中心線に沿って切断することができる。
- 断面は、必要とする一部だけを破って表すことができる。この場合破断線によって破断部を表す。(部分断面図)
- 断面は、必要に応じてハッチング又はスマッジングを施してもよい。
- 隣接する断面ハッチングは線の向きまたは角度を変えるか、その間隔を変えて区別する。
- 軸、ピン、ボルト、ナット、座金、小ねじ、止めねじ、リベット、キー、テーパピン、リブ、車のアーム、歯車の歯、市販品などは、原則として長手方向に切断しない。
- 非金属材料の断面で特に材質を示す必要がある場合には、原則として図の表示方法による。
ガラス | |
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木材 | |
コンクリート | |
液体 |