第4回 形状の表し方 Part1
第2章-1
第2章 形状の表し方
製品(投影対象物)を様々な方向から見た図を投影図といいます。
第三者が理解しやすい投影図を描くことが形状を表す上で重要となります。また形状を表すときのルールのことを投影法といい、日本においては主として第三角法が使用されています。
この章では様々な投影図についてご紹介します。
1. 投影法
投影法は日本においては第三角法と第一角法が認められており、主に第三角法を使用します。
表題欄、またはその近くに第三角法と、または下図の第三角法の記号を記載します。
a) 第三角法の記号
b) 第一角法の記号
第三角法の原理
- 品物の形状や機能を最も明瞭に表す面を正面図に選び、これをもとにして左側図面、右側図面、平面図、下面図、背面図などを描く。
- 製作図においては、その品物の最も加工量の多い工程を基準として、その加工の際におかれる状態と同じ向きに描く。
- 左側面図、右側面図、平面図、下面図、背面図など、補足する図の数は、できるだけ少なくし、正面図だけで表せるものに対しては他の図は描かない。
- 品物の一局部の形だけを図示して足りる場合には、その必要部分を局部投影図として表す。
- 品物の斜面の実形を図示する必要がある場合には、その斜面に対向する位置に必要部分だけを補助投影図として表す。
- 紙面の関係などで、補助投影図を斜面に対向する位置に配置できない場合には、その旨を注意書きで示す。(図a)
これは、必要部分の投影図または断面図についても同様である。(図b) - ボスからある角度で腕が出てくるような品物を正しく投影すると解りにくくなる場合には、その部分を回転してその実長を図示することができる。(回転投影図)
- 図の一部を示せば足りる場合には、その必要な部分だけを部分投影図として表す。この場合には、省いた部分との境界を破断線で示す。ただし、明確な場合には、破断線を省略してもよい。(部分投影図)
- 板を加工して作る品物は、必要に応じて展開した形状も示す。この場合展開図の付近に“展開図”と記入する。(図a)
また寸法により表すときは、寸法線の下の展開長さを( )でくくり記入する。(図b)
但し、CAD図の場合は、(図c)のように記入する。 - 二つの面の交わり部に丸みをもち、対応する図にこの丸みの部分を表す必要があるときは、交線の位置に太い実線で表す。
- 互に関連する図は、なるべくかくれ線を用いない配列にする。
- 切断面の先方に見える線(図a)は、理解を妨げない場合には、これを省略する。(図b)
図a
図b
図a
図b
図c
図a
図b
図a
図b