曲げ不良の低減は
段取りと効率化で解決できる
“曲げ不良”を低減する方法は
このような“曲げ不良”を減らすためには、2つの方法があります。まずひとつは「段取り作業を削減」すること、もうひとつは「加工自体の効率化」を行うことです。 技能者に依存する、ミスが起こりやすい作業を少しでも減らすことが、不良の削減、ひいては生産性の向上につながります。
曲げミスを低減する2つの新技術
新技術 その1 「Y3軸バックゲージ」
これまでの曲げ加工機では、バックゲージ(突き当て)は2点当てが標準的な考え方でしたが、複雑な外形や曲げ加工の製品が増えてくると必ずしも十分とはいえなくなってきました。
「Y3軸バックゲージ」は3つのバックゲージを搭載しています。
この3つのバックゲージが個別に左右前後方向へ移動できるため、外形が三角形のような異形状の場合でも、3点で安定して突き当てることができます。そのため、曲げ加工で大幅な時間の削減と不良の発生を抑えることが可能になりました。

Y3軸バックゲージ

異形状の3点突き当て
また、箱曲げでは、2つのバックゲージを平行な外形に突き当てて、残った1つのバックゲージを前後にずらすことで、サイドゲージとして使うことができます。これにより、横方向の位置決めを確実にできるため、下降してくるパンチとサイドフランジが接触する事故を防ぐことができます。従来のようなスライドを一旦停止してから材料の位置合わせをする作業は不要で、曲げ加工の生産性向上(加工時間短縮)に大きく貢献することができます。
新技術 その2 「突き当てモニターとAR表示」
曲げ加工機の最新機種では、NC画面とは別に、曲げ情報を表示する「タブレットHMI」を加工機正面に搭載し、「突き当てモニター」表示を実現しました。
このタブレット画面には、バックゲージ上部から写したカメラ映像が、リアルタイムで表示され、これから曲げる材料がAR技術を使った半透明の画像で表示されます。実際の材料の映像に、このAR画像を重ねることで、正しい曲げ位置や表/裏の確認、さらにどこに突き当てているかが簡単に分かるようになりました。
この「突き当てモニター」と「AR表示※」により、非熟練者においても、突き当てや位置決めの時間が短縮され、曲げミスを防止し、生産性を向上することが可能になります。
この「タブレットHMI」は、曲げ位置に合わせて自動で左右に移動し、常に目の前で確認することができます。NC画面と曲げ加工位置を行き来する必要がないためオペレーターのストレスも無く、また、次に曲げる位置を示すガイダンスとしても役立ちます。
※AR表示:実際の映像を元にデジタル情報を重ね合わせて合成、拡張する拡張技術

タブレットHMI

突き当てモニター+AR表示
効果
これらの機能を活用することで、曲げ作業時間を大きく削減することができます。
1. 「Y3軸バックゲージ」の効果
●製品例:シンク

※段取り時間の削減はATCの効果が含まれます
2. 「突き当てモニターとAR表示」の効果
●製品例:精密機器

※段取り時間の削減はATCの効果が含まれます
まとめ
このように、突き当てや位置決め作業を改善することで段取りや実加工時間が大きく削減され、熟練した技能を必要とせず、生産性に大きな効果が得られます。また、使いやすさを追求することで、以下のような多くのメリットを享受することができます。
- 非熟練者でも曲げ加工が行えるため、曲げオペレーターの技能者不足に貢献できる。
- 段取り時間の削減に伴い、曲げ作業時間を削減することができる。
- 曲げ作業のミスを減らすことで、材料費の削減、曲げ加工の効率化が実現できる。
今回ご紹介した曲げ加工機
人と環境に配慮したサーボベンディングマシン

~スマートオペレーションモデル~

自動金型交換装置付
EGB-6020ATCe

追従装置付
EGB-1303e+SF-1224TL
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