第9回 折込形状の展開長
第4編-7
第4編 展開寸法の求め方
1. 外形寸法加算法
5. 折込形状、他形状の展開長の求め方
1) BOX形状(内折込)
第三角法
展開図
※部分のスリットの巾は
パンチ加工 :約 3mm
レーザ加工 :約0.2mm
となるのでA部分の寸法はc-tとならず、
曲げ易さを考慮し、c-3tくらいが理想です。
2) BOX形状(外折込)
第三角法
展開図
※部分のスリットの巾は
パンチ加工 :約 3mm
レーザ加工 :約0.2mm
となるのでA部分の寸法はc-tとならない。
また、b-tも曲げ易さを考慮し、b-3tくらいが理想です。
練習問題 5
下記の「COVER」にて、内折込形状の展開を行いましょう!
- Q1. 材質、板厚は?
- Q2. 面は何面ありますか?
- Q3. 各面の形状を描いてください
- Q4. 展開形状を描いてください
- Q5. 展開寸法を計算し、展開寸法を書いてください
練習問題 5の答えと解説
Q1. 材質、板厚は?
答え:材質=SPCC 板厚=t1.0
☆この図面では表題欄に材質が、注記欄に板厚が記載されています。
Q2. 面は何面ありますか?
答え:11面
解説:平面図よりハッチング部3面(①②③)、正面図よりハッチング部1面(⑧)
反対側に1面(⑨)、左側面図よりハッチング部1面(⑩)
反対側に穴なし面1面(⑪)、正面図にある内折込面が平面図より4面(④⑤⑥⑦)
合計11面となります。 ※下図参照
Q3. 各面の形状を描いてください
答え:下図参照
Q4. 展開形状を描いてください
答え:下図参照
Q5. 展開寸法を計算し、展開寸法を書いてください
解説:下図を参考に計算していきます。
まず、伸び値の確認をします。
第3回 V幅推奨値より
材質:SPCC 板厚:1.0mmから
V幅:6を選択します。
t=1.0とV=6の交差する値より
伸び値:1.74 となります。
注1 の計算
展開長は右図の太線より求められます。
曲げが2箇所あるのがわかります。
よって、
52+107+52-2×1.74=207.52
注2 の計算
展開長は右図の太線より求められます。
曲げが4箇所あるのがわかります。
よって、
2×((76-56)/2+1)+(2×52)+56-4×1.74=175.04
注3 の計算
展開長は右図の太線より求められます。
突合せ部が出ているのがわかります。
よって、
52+1-1.74=51.26
もしくは
注1から105をひき、2で割ります。
(207.52-105)÷2=51.26
注4 の計算
展開長は右図の太線より求められます。
曲げ部が1箇所あるのがわかります。
よって、
16+52-1.74=66.26
注5 の計算
展開長は右図の①-②により求められます。
①=11+52+1-2×1.74=60.52 →注7
②=10-1.74=8.26
よって、
60.52-8.26=52.26
もしくは
注6を先に求めて、注2から注6をひき、
2で割ります。
(175.04-70.52)÷2=52.26
注6 の計算
展開長は右図の太線より求められます。
曲げが2箇所あるのがわかります。
よって、
10+(56-2×1)+10-2×1.74=70.52
注7 の計算
展開長は右図の太線より求められます。
曲げが1箇所あるのがわかります。
また突合せ部が出ているのがわかります。
よって、
11+52+1-2×1.74=60.52
注8 の計算
展開長は右図の太線より求められます。
曲げが2箇所あるのがわかります。
よって、
28+52+11-2×1.74=87.52
注9 の計算
展開長は右図の太線より求められます。
曲げが4箇所あるのがわかります。
よって、
2×(11-4)+2×52+56-4×1.74=167.04
スリット幅は図面とおりに作成すると0.26mmとなりますが、所有金型を3mm幅としてスリット幅を3mmにしています。
実際は曲げ易さを考慮し天井面とのスキマが2t以上となるように作成します。
答え:下図参照