第12回 寸法の書き方 Part6
第3章-6
第3章 寸法の書き方
9. 寸法配置
- 直列寸法記入法
個々の部分の寸法を、一列に連ねて配置します。
個々の寸法公差が累積してもよい場合に使用します。 - 並列寸法記入法
基準となる部分から、個々の部分の寸法を寸法線に並べて記入する方法。
この場合、個々の寸法公差は、他の寸法公差に影響を与えません。 - 累進寸法記入法
基準とする個所をもとにして図のように寸法を記入することができます。この場合、基準の位置を起点記号( ○ )で示します。また、寸法数値は、寸法補助線に並べて記入するか(図a)、矢印の近くに寸法線の上側にこれに沿って指します(図b)。
また、この累進寸法記入法は、簡略化した並列寸法記入法といえます。 - 座標寸法記入法
穴の位置や大きさなどの寸法は、座標を用いて表にしてもかまいません。この場合、表に示すX、Yの数値は、起点からの寸法となります。起点は、基準穴、対象物の角など加工方法を考慮して適切に選びます。
図a
図b
X | Y | Φ | |
---|---|---|---|
A | 20 | 20 | 13.5 |
B | 140 | 20 | 13.5 |
C | 200 | 20 | 13.5 |
D | 60 | 60 | 13.5 |
E | 100 | 90 | 26 |
F | 180 | 90 | 26 |
10. 寸法記入上の留意点
- 寸法がいくつも隣合って連続する場合は、寸法線はなるべく一直線にそろえます。
- 寸法線が3つ以上平行してある様なときは、それぞれの寸法線の間隔は同じにします。
- 寸法補助線は、寸法線に対して直角に引き数字は少なくとも外形線より10mm以上離します。
- 寸法数値を表す一連の数字は、図面に描いた線で分割されない位置に指示し(図a)、また線に重ねて記入してはいけません。ただし、やむ得ない場合には、引出線を用いて記入します(図b)。寸法数値は、寸法線の交わらない個所に記入します(図c)。
- 寸法補助線を引き出すと紛らわしくなる場合は、図の例により寸法を記入します。
- 寸法は、計算して求める必要がないよう記入します。
- 互いに相関連する寸法は、なるべく一個所にまとめて記入します。例えばフランジの場合、ボルト穴の中心円の直径、穴の寸法、穴の配置などは、中心円が描かれてある方の図へまとめて記入します。
- 寸法は原則として工程別に記入します。
図a
図b
図c
図a
図b